- 矯正治療において抜歯するかしないかは非常に重大な論点になります。やはり、自然歯を残して矯正治療を進めることが望ましいと考えますが、ときには抜歯を行った方がスムーズに矯正治療を行えることもあるのです。抜歯を行うと、そこに新たなスペースが生まれます。そのスペースを利用して、ズレている歯を少しずつ動かしていきます。 また、前方へ出過ぎている歯、凸凹な歯並びは、毎日の歯のメンテナンスの大きな妨げにもなり、新たなトラブルを招いてしまう可能性もあります。 さらに、顎の大きさに合った歯の本数に整えれば、唇を閉じやすくし、口呼吸から鼻呼吸へと改善できる効果も期待できます。
- お口の中の健康は常に唾液によって守られています。唾液には虫歯菌や歯周病になる原因菌を洗い流してくれる作用があります。 しかし、口で呼吸を行うと、口の中が乾燥してしまい唾液の量が減り、虫歯や歯周病などの病気になりやすくなります。
-
当医院では、第一期(成長期)、第ニ期(成長が終わって顎の大きさがほぼ決まった時期)に分けて積極的な治療を行う時期を考えています。
治療期間は様々ですが第一期治療は6~24ヶ月、第ニ期治療は18~30ヶ月、また歯列の一部を矯正治療(部分矯正)する場合は6~12ヶ月になります。 - 治療にとりかかりますと矯正装置を使って歯やあごを動かしてゆきます。この力は大変弱い力なので患者さんに痛みはほとんどありません。しかし、使用する装置によって一時的に痛みを感じることもあります。
- その理由は矯正装置が働く期間に限度があるからです。ある所まで歯やあごが動いてしまうと、もうそれ以上は装置が働かなくなりますので、そこで装置を調整して、またある期間働くようにするわけです。だから3週間位しか働かない装置を使った時は3週間目毎に調節に通っていただくことになります。矯正装置には、たくさんの種類がありますが、その患者さんを治すのに一番都合のよい装置を使いますので、先生の指示する間隔できちんと通院してくださらないと、よい治療結果は得られません。
-
歯並びがよくなってからは歯やあごが新しい位置で安定してくるのを待つことになります。この時期では、通院も3~6ヶ月に1回でよくなります。ところが患者さんの中には、これだけ治ったからもう良いと勝手に通院をやめる方がおりますが、見かけは治ったようでも、まだ安心した状態になっていないのですから、そんな時はすぐに最初の状態に戻ってしまいます。
ですので、先生が大丈夫というまでは治療を続けてください。 - 矯正治療には長い時間がかかります。その間きちんと通院できるかどうか、よく考えてから始めて下さい。とくに学生の方は学校の担任の先生によくお話しをして、通院の許可をもらっておくようにしてください。途中で治療をやめると、始める前より一層悪くなる場合もあります。